鈴木結子ブログ記事

私の仕事物語パート3 「社長」から学んだこと

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あなたの上司、どんな人ですか?
あなたがリーダーなら「どんな人」と思われているでしょうか?

人を育てる人?それとも自己保身の人?

入社して間もない頃、60代の部長と話す機会がありました。
なんでそんなこと言ったのか忘れましたが
「上司って、部下のことを考え育てる人ですよね~」
と言ったら・・。
「そんな上司は、宝くじに当たるのと同じ位の確率だな」

どう言う意味で仰ったのかわかりませんが
暗澹たる気持ちになりながらも、
上司が何かしてくれるわけではない。
自分のことは,自分でしなけれいけないんだ。

という心構えにはなったような気がします。

さて、その上司の最高峰。
当時、勤めていた会社の社長について
「その影響、一社員の一考察」をお届けします。

2部上場会社、2代目社長。社員数3000人。
全国29箇所の営業所と3箇所の工場。
そのトップは、雲の上のような存在で、
社長は話し、社員はただ聞く。
それが常識みたいな会社でした。

私が、社長に初めてお会いしたのは
会社の累積赤字が膨らみ、危機状況の時。
社長自ら全国の営業所を全て廻っていた時でした。

しかし状況よりも、社長が来た!という雰囲気が所内に満ち満ちて、
ただならぬ緊張感で、お迎えしました。

が、社長は開口一番
「みなに迷惑かけて申し訳ない。私の責任だ。何でも気づいたことは言って欲しい」
と言いました。

でも、そうは言っても皆は、
「申し訳ありません。自分の努力が足りないからです」
「もっと頑張ります」
と、言うばかり。

ですが、真にうけた私は、
「営業の皆さんは、毎晩残業をしています。本来、設計部がすることなのに
なんで営業が自らしなきゃいけないのか、わかりません」
と、言いました。
システムがあるのに動かない。
やらなければ自分の首が締まるから無理してでもやる。
すると本来の受注活動の戦略を練る時間も取れず、パフォーマンスも落ちる。
「じゃ、何のための仕組みなの?」と素朴に思ったのです。。。

廻りは大慌て、でも、社長はこうおっしゃいました。
「全く、そのとおりだ。」
それが良かったのか、その後も訪れる際には、気軽に声をかけて下さいました。
「おい、今、会社はどう動いている?」と。
そして、いつだったか仰った言葉が忘れられません。
「本当に思っていることを言う奴はなかなかいない。」

上層部の認識と現場認識の隔たり。
これこそがギャップなのかもと思いましたが、不思議に思いました。
なぜ、それができないのだろう?と。

そして、時は流れ、会社の方針は、
全社員の多能工化。仕事の見える化への徹底路線に入りました。

技術力を旨とするのは、社員の誇りと共に、自分を守る防波堤です。
今まで頭のなかで処理していたことを全て開示せよとの通達は、
能力のある社員から猛反発が起こり、一人、また一人と退職する方が続出。

また、昨日まで工場勤務だった社員が、突然、営業員として
身も知らぬ土地に飛ばされる。
そんな事態が起こり、会社は大混乱に陥ったように思いました。

社員の本音と社長の思い。
目指す先は同じですが、社員の納得を得るより、有無を言わさず従わせる。

そんな強引なやり方は、会議でも同じ状況でした。
当時、私は部課長会議に同席することを義務付けられ、
毎回身も凍るような体験を目の当たりにしていました。

「なんで、受注できなかったんだ!理由を言ってみろ」
責められモード満載。
言われた所長や課長が、重い口を開き、理由を言うと・・
「言い訳するな!」の怒声。

問題原因を探り、解決を話し合うのではなく、上位者が役割を振りかざし、
感情的に相手を責めるばかり。

「話し合う」雰囲気ゼロのこの会議は、
できて当たり前。できないと責められる。
なんだか今振り返ると「下克上」みたいだと思います。
チカラのない奴は、捨てる。
這い上がってくる奴だけを認める。
お前の代わりなんて、いくらでもいるんだという
強いプレッシャーを毎回感じました。
誰もが秀吉や家康になれる訳もないのに!

会社の方針は、勿論全社員のシアワセを願い、より一丸となって頑張ろうと
言う主旨だったのですが、現実は、あまりにも隔たりがあり、
社員のなかに、大事にされている実感など皆無だったと思います。
そして時代はバブル全盛。
業績はウナギのぼりとなり、益々、ギャップは開いて行きました。

社長は、お気に入りのコンサルタントを秘書のように傍らに置くようになり、
社員の言葉など、益々聞かなくなりました。

そして、不信の決定打のエピソードがあります。
若手社員が、宴席で無礼講と言われ、発言しました。
すると、社長は、ムッとした顔で言いました。
「首だ。お前の代わりなんて、掃いて捨てるほどいるんだ」
酒の席でもあり、取り成すことに大あらわになりましたが
どんなに上司が守ってくれなくても、社長だけは違うと、
どこか、そう信じていた私に、何かがガラガラと壊れていく瞬間でした。

リーダーの仕事って、何なのでしょう?

チカラで支配しようとすれば、本質が見えなくなります。
リーダーにとって、一番大事なのは、手足となって働く社員。
思い通りにことを進めようと、手足の情報を無視し、
大事にしなければ、いづれ動けなくなるのはリーダー自身です。
そして、リーダー自身が、どう思い、どう行動しているかは、
下へも敏感に伝播し、それが社内の風土に反映されるのです。

「本音を言う奴はいない」
それを言えるようにし、生の情報を集め、決断する。
人を大事にして、社員に誇りを持たせる。

出社最後の朝、私が感じ続けて言えなかった思いと本音を
社長へ手紙にしたため、怒涛の会社員時代は幕を引きました。

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